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チャムコラム
チャムくんのお話
こんにちは。副院長の山本 敦子です。
今回は、久しぶりにチャムくんのお話をしようと思います(*^^*)
実は9月10日はチャムくんの命日でした。
2012年9月10日に天国へ旅立ってからもう11年も経つのですね。。。
ご存知の方もいらっしゃると思いますが、チャムくんは、1992年、私が中学生だった時に通学路の竹藪の中からクウクウ鳴いて出てきた仔犬を保護したことをきっかけに飼い始めた子でした。
保護した日は一晩友人にお願いして預かってもらい、その間に母を説得しました。
翌日、目が見えず耳も聞こえなさそう・・・さらに足もぴょこたんぴょこたんしていた仔犬を母がみて・・・可哀想だから飼ってあげようかって母が言ってくれ、念願の仔犬を飼い始めることができたのです!
(結局、目も耳も足もまったく問題なく元気に育ってくれました。演技していたのかな笑)
生まれて初めて犬を飼い始めるので、知らないことばかり。。。
生後数ヶ月は経っていたと思われ、歯もしっかり生えているずんぐりむっくりとした仔犬だったので、ミルクをあげたりする手間は省けました(*^^*)
左の写真のように、はじめ耳は垂れていたのに、あっという間に立ってしまいました(^_^;)
拾った頃は小さくて、尻尾の長さでさえ数センチしかなかったのですが、1週間くらいであっという間に成長してしまいました。
小さい頃の写真を全く撮っていないことに気づいてあわてて撮ったのが下の写真です。
か、か、か、かわいい❤️!!!!!
新聞記事が当時の世相を物語っていますね(笑)
『ネガフィルム』や『写ルンです』が主流の時代でしたので、現在のように気軽にスマホで写真をパシャパシャ撮れる時代ではなかったんですよね(^^;;
もっともっとかわいいチャムくんの赤ちゃん時代を撮ってあげたらよかったと今でも後悔しています笑
ごはんを食べたり、食べなかったりと選り好みの多い子でしたが、すくすく成長してくれて。。。
あっという間に成犬に!!!
おうちに来た頃はピンク色の舌だったチャムくんですが、仔犬の間に舌斑がひとつ出来始めて、1歳になる頃には、こんな感じに舌に黒く模様ができました。かわいい特徴のひとつでした(^ ^)
その後、月日は過ぎ。。。
私が小学生の頃からの夢だった獣医師になれた頃には、チャムくんは10歳になっていました。
2003年、私が臨床獣医師2年目でチャムくんが11歳のころ。
知り合いのドッグトレーナーに頼まれてパピークラス担当の獣医師をしたことをきっかけに、お散歩中にリードを引っ張り気味にぐいぐい歩くチャムくんを自分でトレーニングしてみよう!と試みたことがありました。
私のトレーニングでみるみる引っ張り癖が直っていき、嬉しかった覚えがあります。
歳を取ってからも、頑張ればまだ遅くないんだなって自分の体験で感じました(^ ^)
チャムくんが13歳の頃。臨床獣医師になって去勢手術の必要性を感じていながらも、チャムくんはすでに老犬。。。全身麻酔を行うことを躊躇っていましたが、毎日心配しながらもチェックしていた睾丸が片方少し大きくなっていることに気付き、意を決して働いていた動物病院で去勢手術を行なわせていただくことに。。。
術前検査で前立腺肥大もあることがわかったので、症状が出る前に手術ができて本当に良かったと思います。
精巣腫瘍の病理検査結果は良性。その後も元気いっぱいで、全く問題なしでした!!
16歳。この頃くらいから、もうあと何回チャムくんと旅に行けるかわからないからって、勤務医で仕事は忙しかったですが、時間を作っては母と姉と一緒に何度もチャムくんを旅行に連れて行ってあげました。
旅行やドライブから帰った後は、とっても楽しかったみたいで、おうちに着いた後もしばらく車から降りず、満足するまで車に乗っていたチャムくんでした(笑)
すでにお付き合いしていた拓也先生も、チャムくんを連れてドライブに行ってくれることもありました。
17歳。私は勤務医で多忙な毎日を送っていました。朝6時前に起床してチャムくんをおしっこに連れて行ってあげてから出勤し、帰宅するのは日付が変わってから。それでもチャムくんは帰ると喜んで出迎えてくれ、そのまま夜のお散歩に行ってあげるのが日課でした(^_^)
私は夜中にごはんを食べて、そのまますぐに寝るのですが、チャムくんはいつも私の布団の足元に寝てくれるので、その温もりに癒されてぐっすり眠れて、また翌日から仕事を頑張れたものです。
旅行にもたくさん連れて行ってあげました。
ペットと泊まれる宿をあちこち検索して、良さそうなところがあれば新規開拓して行きました。
お宿に着くと、本当に嬉しそうなお顔をしてくれるので、また連れて行ってあげたくなるんですよね(^_^*)
ほら、この笑顔☆ とってもかわいい〜!
拓也先生もチャムくんと3人で旅行へ!!!
まだまだ元気に歩けていたチャムくんでしたが、足腰の負担を考慮して、滝を見に行く途中の山道などは抱っこしてあげていました。私以外の抱っこが苦手だったチャムくんでしたが、拓也先生でも安心して抱っこされていましたよ(*^^*)
18歳。だいぶゆっくりとした足取りにはなりましたが、まだまだ元気に歩けていたチャムくん。
いつも、これが最後の旅行になるかも。。。と思いながらも元気に過ごしてくれ、幾度となく一緒に旅行に行けました。
チャムくんは、お外でおしっこをしたい子だったので、毎日のお散歩は朝昼晩お外に連れて行ってあげていました。抱っこでおしっこポイントまで運んであげ、チャムくんのゆっくりと歩くペースに付き合ってあげて、おしっこできたら褒めておうちに連れて帰ってあげていました。
途中でこうしてぺた〜っと休んでしまうこともまた、愛おしく可愛かったです。
チャムくんがもうすぐ19歳という時。
車検のために1時間半ほど家を留守にしていた間に玄関の土間でつまずいてしまったのか、それから突然歩けなくなり、ねたきりになってしまいました。
家中にペットシーツを敷き詰め、どこにおしっこをしても良いようにしてあげました。
拓也先生と結婚していた私は、実家の隣にお部屋を借りて住んでいました。ねたきりのチャムくんを日中は母がつきっきりで介護していました。床ずれができてしまわないように、数時間ごとに体位を変えなければなりません。
このままだと母の疲労が溜まっていってしまうので、時には私たちが勤務医の仕事を終え帰宅してからチャムくんを預かり、夜、3人で川の字になって寝て、介護を交代でしました。
寝ていると、なにやら『くぁむ、くぁむ』と鳴いて訴えることもあり、その度に起きて、おしっこかな?うんちかな?お水が欲しいのかな?暑いのなら冷やしてあげようかな?体勢は大丈夫かな?など色々とチャムくんの要望を考えたものです(^ ^)
拓也先生がいっぱい一緒に手伝ってくれたので、本当に助かりました(*^_^*)
毎日皮下点滴をしてあげて、ごはんを食べやすいように介助してあげて、おしっこは自力で出せなくなってしまったので、膀胱を圧迫して排尿をさせていましたが、チャムくんはねたきりになってもとても元気にしてくれていました。
シャンプーもおうちでこまめにしてあげました。ふわっふわになるととても気持ちよさそうでしたね☆
19歳。ねたきりでも旅行に連れて行ってあげました(^-^)
旅行が大好きだったチャムくんは、やっぱりとっても良いお顔をするんですよね。
旅先でもごはんをよく食べてくれました。
熱海の来宮神社では、樹齢2100年以上の御神木『大楠』があり、この幹を一周廻ると寿命が1年延命するという伝説があるので、チャムくんを抱っこしてあげながら4周ゆっくりとまわりました(^-^)
チャムくんは本当に強くて、優しくて、頑張り屋さんな子で、母と姉と私の女三人家族をず〜っと見守ってきてくれた大事な家族でした。ねたきりになってからの介護の時間も長く取らせてくれて、まるで私たちにお別れの覚悟の時間をじっくりと与えてくれているようでした。
20歳。お別れの日は、珍しく母、姉、私、拓也先生、みんなが揃っている日でした。
チャムくんの隣で添い寝していた私は、チャムくんの呼吸が早いよという母の声に飛び起きて、それが最期の呼吸であることを察して、すぐに拓也先生にも来てもらいました。
みんなでチャムくんに呼びかけ続け、『ありがとう』とたくさんお礼を伝えて。。。
みんなが見守る中、チャムくんは静かに息を引き取りました。
こちらの写真は天国へ旅立つ2時間前のチャムくんです。とても穏やかなかわいい表情をしていますね。
チャムくんは何を思ってくれていたのかな。。。
私と拓也先生は、その2年5ヶ月後。
2015年2月23日
この浦和にチャムくんの名をつけて『チャムどうぶつ病院』を開業しました。
チャムくんとの思い出、介護で得た知識・経験を生かして、チャムくんがいつまでも見守ってくれていると信じて。。。
チャムどうぶつ病院のロゴは、このチャムくんのシルエットです(^ ^)
そして、私たちは開業の1週間後に看板犬のあめちゃんをお迎えしました(*^^*)
今ではチャムくんが着ていた服も着こなしてくれています(^_^*)
これからも、拓也先生・わたし・あめだまの3人で、力を合わせて、チャムどうぶつ病院のために
日々、診療をがんばりたいと思います。